ステレオタイプ@散文的なショートストーリー | 第7並行世界のユートピア
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2017年12月14日木曜日

ステレオタイプ@散文的なショートストーリー

@散文的なショートストーリー とは?
ノンジャンルのショートストーリー集。文月による妄想の産物である。 


(はい、では常務。わたしの合図で始めてください・・・・はい。)

―それでは只今から記者会見を始めさせて頂きます。えー、この度は世間をこのような形で騒がせてしまい誠に申し訳ございませんでした。役員一同、深くお詫び申し上げます。

「朝経のタナハシです。何点か質問させてください。まず1点目、基本的なことです。結局今回の事故の原因は何でしょうか?」

(こちらです・・・はい)

―こちらも現在事故の原因を調査をし始めたところでございます。我々の今のところの調査では不具合の合った製品をしてしまった数量、エリアはごく限定的なものである可能性が高いということでございます。

「それでは例えば操業を停止したり、問題のあった製品の販売を一時休止するようなことはないのでしょうか?」

(資料の3ページ目を確認して下さい・・・)

―生産ロット単位での生産はストップ致しました。また出荷済の製品は自主回収という対応を始めております。
すべての生産を止めるという計画はございません。そこまでは影響ないという判断をしております。

「それはどういう根拠で判断されたのでしょうか?」

(すみません、今日は説明ができません・・・・資料の6ページ目です)

―本日は詳しいことは申し上げられませんけれども、わたくしどもの生産工程に関する品質管理のプロセスを実行しているかどうかの監査、そういった対応を強化して進めているところでございます。そのプロセスの管理徹底をすることで、わたくしどもとしては品質の保証をしております。残念ながらこういうことが発生した場合に、その生産ロットを止めるという判断は必要に応じてさせていただいております。

「なるほど、そうですか」

(常務、次の方があちらに・・・はい)

―では、次の方

「産業経済のイイダです。ただいまの説明では回答になっていないのではないでしょうか?」

―わたくしどもと致しましても、幅広い部署からの報告に基づいてお伝えしています。

「それは問題のあった工場からの、現場からの報告ということなのでしょうか?」

(・・・その通りです。工場からの報告です)

―そう聞いております。

「そもそも、あなた方は現場を見たことがあるのですか?」

(・・・3ヶ月に一度の視察の件です)

―半期に一度ですが、役員も工場監査を行っており、その際に現場の社員ともコミュニケーションを図っています。

「なるほど、以上です」

―他には?

「週刊東京のミナガワです。さきほどの現場視察の件、それはどのようなコミュニケーションなのでしょうか?今回の事故も、現場と経営の認識違いが原因なのではないですか?」

(常務、原因はまだ不明です・・・、はい。)

―現在厳しく調査を行い、原因追求に努めております。

「異物なんですよ、異物。食べ物の中にあんなものが入っていたとなると、わたしも記者の前にいち消費者として今後に不安を覚えるのですが」

(ここでは、謝ってください・・・)

―お客様の信頼回復に誠意努力してまいります。

「関連するんですけれども、今の段階でどういったものが、どういった状態で混入した可能性があるのか。安全管理は万全というような回答をしている以上、もう少し今の段階で回答できることありませんでしょうか?」

(・・・内容は、えぇ、最後のページに書かれています)

―この事案につきましてはお客様から初めにご指摘のあった件でして、わたくしどもとしては一番最初に具体的な原因を追求し、まずお客様にお話をすべきだというふうに思っております。調査のプロセスは進めてられていますし、先ほどご指摘の混入物はどんな材質のものなのか、科学的な根拠を持って今後証明をしていきたいと考えています。それがすべて終了した時点で皆様にもお知らせしたい。

「つまり、何も解っていない。とりあえず謝罪だけはする。ということでしょうか?」

―冒頭で申し上げましたとおり、こういった件でお客様にご心配をおかけしていることに対しては、非常に深く受け止めております。責任はわたくしども経営陣にもあるというふうに考えております。

「まぁ、こちらからは以上です」

(右奥の方が次です・・・はい)

―そちらの方は?

「よろしいでしょうか?テレビニッポンのオオキタと申します。まずお聞きしたいのは、先月からから品質問題が相次いで報道されていますが、今後こうした問題が二度と起こらないと言い切れるんでしょうか?」

―申し訳ございませんけれども先ほど申し上げたとおり、最終的な対策案を含めて社としての結論をお客様にお伝えする時点で、皆様にもお伝えしたいと考えております。

「実は先ほど、この記者会見の前ですが、御社のある店舗を訪ねてまいりまして商品を買おうとしたんですが、「機械のメンテナンス中なので売れません」と言われました。メニューのほとんどすべてに販売休止のシールが貼られていまして、こういう対応が取られている対策ということでしょうか」

(いけません、その件は現在調査中です・・・)

―そういったお声が実際にお客様から来ているのは十分承知しております。それ自身、非常に申し訳ないことだと思っております。今後はこういった事案は消費者の方へダイレクトに発信できる体制を構築し、公表していきたいと考えております。我々としては、いかにそういったお客様の信頼を回復して、如何にわたくしどもの商品を安心していただけるような環境を作るか。それがわたくしども経営陣の使命だと考えております。

「よく解りました」

―次は・・・あ、あぁ、そちらの方

「朝朝新聞のサワダです。今回の消費者からのツイート、つまりSNSを使った情報発信がなければこれはずっと公表しないということだったわけですよね。そもそも公表するつもりがなかったということですよね。」

(これも先ほどの件とおなじです。見えますか?少し、ズレますね?)

―これまでは、わたくしどもがどういった形で公表させていただくかについて、個々の案件の状態がもたらす影響というものを考慮した上で判断をさせていただいております。この件に関してはその時点で、お客様と関係各所に対する告知以外の公表の必要はないという判断をいたしました。

「どうも、紋切り型のお話ばかりですな。もうひとつよろしいですか?」

―あ、構いませんが、もう少し左側にズレていただけませんか?次の台詞、あ、いや、コンサルの姿が見えなくて・・・・
ステレオタイプ@散文的なショートストーリー フリー素材アイドル mika☆rika

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